2012年11月30日

031:大人(田中ましろ)

知りたいのはここから先の僕たちのそれはもう大人としての価値
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030:敗(田中ましろ)

林檎など食べたくもないくせにすぐ買ってきてという敗北宣言


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029:座(田中ましろ)

川沿いに座らないからゆるやかに変わる世界の音に気付くこともなく


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028:脂(田中ましろ)

ゆっくりと上下している頬骨のあなたの皮脂もすべて必然

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027:損(田中ましろ)

逃げながらしかし損得は数えて癒えない傷にプライドを持つ

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2012年11月28日

026:シャワー(田中ましろ)

最後って、いつも、そうだ、責めたてるシャワーを拭うこともなく立つ

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025:触(田中ましろ)

いっさいを否定できない静寂のあなたに春は触れるなと言う

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024:玩(田中ましろ)

とめどなく鳩のマークを描いていく玩具に飽きた夜のあなたは

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023:必(田中ましろ)

必要とされたい心 雨の日に欠けたカップもあなたでしたね

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022:突然(田中ましろ)

こうもりを捕まえてきて突然の指令さえつながりのひとつに

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021:示(田中ましろ)

愛しなさいなんて指示されない夕べあなたがあなたのまま光りだす

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020:劇(田中ましろ)

忘れたらそれでおしまい劇薬の瓶のかたちのように座って

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019:そっくり(田中ましろ)

似てるかよ そっくりな顔を並べて嘯くだけでもう春の夜

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018:希(田中ましろ)

えんぴつの先に止まっていた午後を希釈してこれからの話を

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017:従(田中ましろ)

従順なふりをしている犬として∽つむじ風にも耐えなくてはな

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016:力(田中ましろ)

思いがけない雪に逢う∵∴あなたには引力という名の言い訳を

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015:図書(田中ましろ)

カーテンをくぐってやわらかくなった風 図書館が深海のよう

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014:偉(田中ましろ)

教科書の偉人じゃ誰がいちばん好きなんて話題で暮れていく駅

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013:逆(田中ましろ)

夢のなかあなたは光る逆鱗を剥いでξξまるでさよならみたい

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2012年11月26日

詩客2012年11月16日号(連作12首)

詩歌梁山泊さんの運営されている「詩客」という詩歌サイトから
原稿依頼をいただき作品を寄稿させていただきました。
作品は縦書きになることを前提に詠んでいますので
こちらには記載せずリンクを貼らせていただきます。リンク先の縦書き画像でぜひ。

『叙情のためのエチュードI』
http://shiika.sakura.ne.jp/works/tanka/2012-11-16-11869.html

タイトルにIとつけたとおり、続編も作っていくつもりでいます。
感想などもいただけますとものすごく喜びます。

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2012年11月19日

かばん11月号(連作8首)


『はるか草原』

 手のひらはつないだ日から中心になってふたたびはるか草原

 早足に行く人たちの生み出した渦に居場所を見つけてしまう

 ビル街に人知れず在る椅子ひとつ減って椅子取りゲームはつづく

 おしなべて街は秋雨 逃げ道をうしなうことが生きることだと

 手を振ったあとに出くわす夕暮れに肯定されて立つ交叉点

 いざというときは名前を呼べばいいそのために名を付けたのだから

 パンの耳パンの耳パンの耳パンの耳 しあわせの白い大地よ

 探しもの見つけたように秋のあさ書架の隙間に手を差し入れる

(かばん2012年11月号掲載)

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2012年11月04日

NHK短歌2011年9月号・ジセダイタンカ


『うつせみの』

 いなくなる人の背中は大きくて夕立そしてそのあとの晴れ

 守られていたのでしょうね水槽に触れても逃げていかない金魚

 飲み干したラムネの瓶のビー玉の誰も知らない過去 うばってよ

 低く飛ぶつばめは空へ 約束をやぶらないって約束のあと

 理由などなくても待とう空蝉はつよい孤独に耐えうるかたち

(NHK短歌テキスト2011年9月号・ジセダイタンカ寄稿)

  ※転載し忘れてたのでいまさら更新。


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2012年10月27日

うたつかい10月号

【自由詠5首】

『たぶん秋風』

 あなたらしい言葉はなにも聞き出せずたぶん秋風だったんだろう

 海沿いはゆっくり冷めていくのです手と手の熱く触れた夏から

 ぶつかった場所から熟れていく桃か甘くけだるくあなたは香る

 崩れたら二度とは戻せないような砂のお城をつくったね夏

 離れると慣れるは似てるひたすらに道化のふりをする秋の道

  ※4首目、投稿ミスで助詞が抜けていたので訂正しました。


【題詠・食べ物】

 ちぎるちぎるちぎるちぎって告げるべき言葉とともに飲みこむ葡萄


(うたつかい2012年10月号掲載)

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2012年10月22日

第41回全国短歌大会・佳作

こんなものがあったのか、と
はじめて投稿してみた現代歌人協会さん主催の第41回全国短歌大会。
佳作に2首選んでいただけました。

なんにでも醤油をかける恋人の「おまえだけだ」を聞きながす夏
 (島田修三さん・穂村弘さん・来嶋靖生さん選)

地下鉄の通過するとき待ちわびたメールがいっせいに滑りこむ
 (渡英子さん選)

2首とはいえ1首目は3人の選者さんから選んでいただけたので非常に光栄です。
選者陣もかなり豪華なこの大会。できたらまた来年も参加してみようと思います。


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2012年10月18日

かばん10月号(連作8首)


『かたすみさがし』

 ポストには空が届いていたのだと部屋を満たした空に伝える

 することがないわけじゃないらんちゅうはただ水底をつつきつづけて

 きんきんと苦しげに鳴く鍵盤を持ってピアノは正しいという

 冷静をよそおいながら片付ける花占いの花びらの死よ

 たちまちに蟻おしよせてある朝の死まで隠滅していくちから

 すずむしも鳴きだしている 夜だ おいてきぼりにされてしまった

 温もりをうたうコンビニの灯りにあつまって虫 虫はじけ逝く

 かたすみに居座っている猫の目が世界を閉じ込めてあくびする

(かばん2012年10月号掲載)

posted by 田中ましろ at 23:27| Comment(0) | TrackBack(0) | かばん掲載歌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月27日

第55回短歌研究新人賞応募作「告げられる冬」(連作30首)


『告げられる冬』     田中ましろ

 ひとつだけ思い出すなら夏の日の海に浮かんだ父子の一枚

 とりどりの線でこの世とつながってしずかに隆起している身体 *

 上履きが片方なくなるようにして例外はなく人は死ぬのか

 寝返りをうまく打てない身をよじり意識の奥に意思は生まれる *

 父だけが止まり続ける部屋を出て冬いちめんに冬の到来

 手術中ランプは光る希望など持つなといわんばかりに赤く *

 波は打つ 潮は満ちゆく ましかくの海に身体を横たえるとき

 いおうええあえいああいと舌の無い口に背中を押されて帰路は *

 どこまでも子と思い知る(父が父が)ナースコールのボタン重たく

 何回も書いては消して最後にはだいじょうぶだと書かれたボード *

 使用済みカードに穴はあけられて 区別 その二文字の空しさ *

 識別子西519 手首にてネームバンドはくるくるまわる *

 麻薬おしえて麻薬ほんとうの痛みを隠した人にかける言葉を *

 冬の日の死に近づいた人の目にひかりを入れる医師のゆびさき

 開かれて縫い合わされて手のひらはいびつな顔をたしかめたがる *

 真夜中の待合室の動かない空気を肺に満たす たす け て

 告げられた余命をしまう場所がなく空を行く鳥見上げて父は

 点滴のしたたる音は海となる父子やすらかに目を閉じるとき *

 新聞をとどける仕事ひとつ増え病院までのゆるやかな坂 *

 死を待つのではなく死へと進むのだ 花は花瓶でなお咲くように *

 まんまるい言葉ばかりだ なにひとつ死の感触を知らないわたし

 無加工の現実が廊下を歩く ゆっくりたおれないよう ゆっくり

 丁寧に死を織り込んだ同意書は凛としたまま異をねじふせる

 親の顔したがる親の口もとへ水を差しだす病室の午後

 嘘ばかりだった口から(つかれたよ)こぼれて落ちたものをあつめる *

 ラジオからサラブレッドが駆けていく午後はふたりでそれを見送る

 動かない手で手をつなぐ人間を描いて不思議な父の約束

 ふたりして雲をながめる日々に慣れ もう春だろう窓の向こうは

 ひとつひとつが最期のようで焼きつけるストレッチャーはなめらかに行く

 「がんめんをふたつにわってわるいものすべてとりますそしてとじます」 *

+++++++++++++++++++
*印は新人賞候補作として短歌研究9月号に掲載していただきました。

3年前の父の手術から感情を整理して短歌になるまで随分と時間がかかりましたが、
きちんと形になり、さらに評価までいただいたこと、本当にありがたいかぎりです。
穂村さんの読みが完璧すぎて評を読んで泣きました。

このテーマだったから評価された、と言われないように引き続き頑張ります〜。

posted by 田中ましろ at 14:01| Comment(2) | TrackBack(0) | 日常詠 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月03日

012:眉(田中ましろ)

皺のないあなたの眉間おだやかに夏の希望を拒絶している

posted by 田中ましろ at 16:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 題詠blog2012 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

011:揃(田中ましろ)

ルービックキューブ揃えてしまったら世界が終りそうな夕焼け

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2012年06月15日

010:カード(田中ましろ)

指紋まみれのカードでもいい目覚めたらジョーカーのいない世界へ行こう

posted by 田中ましろ at 18:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 題詠blog2012 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

009:程(田中ましろ)

句読点消してしまえばもう呪文めいて指先程度の契り

posted by 田中ましろ at 18:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 題詠blog2012 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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