2015年05月09日

かばん4月号「鳥と雨音」(連作8首)


『鳥と雨音』

 ともし火の揺れる参道ゆくような眼差しを持つ夜のあなたは

 囁きと思えば雨の降りしきる音 沈黙を震わせている

 ゆるやかに波打つ毛先遊ばせるあなたの細い指になりたい

 声は風 届けば消える風でありいま口元を飛び立っていく

 「自由ってかくかくしてて自由って感じじゃないわ、そう思わない?」

 鳥を想う 翼を持てば鳥なりの悩みもあるだろう青い空

 春用のブーツを履いた一日を語って雨の音を忘れる

 ぼくたちは椅子の軋みに囚われる人としてこの夜を超えるよ


(かばん2015年4月号掲載)
posted by 田中ましろ at 22:03| Comment(0) | TrackBack(0) | かばん掲載歌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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