2014年12月26日

かばん12月号「日々に息づく」(連作8首)


『日々に息づく』

 網棚に忘れ去られた新聞の文字がかすかに滲む終点

 長月の雨に誰かが下を向きそれを見てまたうつむく誰か

 風光るような往来だとしてもそれに気付ける人かどうか、だ

 じいいいと見つめていればうっかりと動いてしまいそうな人形

 みんなしてトントン拍子に踊らされ踏み外すまで笑って過ごす

 覚えてる覚えています祝福が温かすぎて痛かったこと

 すみやかに所定の位置へ戻りなさい 右手 三日月 左心室 夢

 安穏を求めたら朝 コーヒーの匂いの満ちるリビングに着く


(かばん2014年12月号掲載)

posted by 田中ましろ at 21:45| Comment(0) | TrackBack(0) | かばん掲載歌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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