2014年12月26日

かばん10月号「花に会う」(連作8首)


『花に会う』

 幾千の灯りを縫って歩みゆくあなたの背を見る雨上がり

 言の葉は錨 ふたりが薄闇にはぐれぬように落として進む

 一度閉めた扉をそっと開いたら溢れる花や雨のあること

 ろうそくの静かな火照り連なって空へと向かうような丘陵

 丸い水面覗き込んだら微笑んで僕らは小さな乾杯をする

 毎日は有限だから少しだけあなたと急いでもいいですか

 何もないところに花が咲くのです悠然とその目を光らせて

 気まぐれに揺られることの心地よく肩にかすかなあなたの重み


(かばん2014年10月号掲載)

posted by 田中ましろ at 21:41| Comment(0) | TrackBack(0) | かばん掲載歌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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