2014年10月01日

かばん9月号「工業団地」(連作8首)


『工業団地』

 道路沿いには朽ち果てた週刊誌なお朽ち果てている最中の

 触れてくるぬるい夏風この夏の僕たちのハイライトに まさかね

 人のいないグラウンドにて足跡はたたずむ海底遺跡のように

 子供たちから夏はあふれて迫り上がる入道雲のてっぺんへ、道

 蝉の声やまない雨のようなこえ反芻しながら生きる誰もが

 工場に休日はなくぽつぽつと予感のごとき灯は点りだす

 街と山に境界はあるのだろうか 思い出せない恋と友情

 車から降りてひとつの夕暮れをレンズの奥で特別にする


(かばん2014年9月号掲載)

posted by 田中ましろ at 22:48| Comment(0) | TrackBack(0) | かばん掲載歌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/406361187

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。