2013年12月15日

かばん11月号「秋へと続く風」(連作8首)



『秋へと続く風』

 珈琲のかおりを髪にくぐらせたきみに問われてしまうこれから

 嵐へと向かう微熱を手のひらにのせて差し出すきみの悪戯

 あさっての話に花を 雲梯はふたりを拒むように傾く

 きみの漕ぐ錆びたブランコゆうゆうと僕の背丈をこえて まぶしい

 水壁は指のすきまを抜け落ちて変化を恐れるなって誰かの言葉

 噴水にあわせて跳ねるスカートの白さいよいよひかりをはじく

 寂しげな駅にふたりの声だけが馬鹿みたいだな 愛しています

 肩までの髪をしずかに開かせるこれは秋へと続く風だね



(かばん2013年11月号掲載) 
posted by 田中ましろ at 23:25| Comment(0) | TrackBack(0) | かばん掲載歌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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