2013年12月15日

かばん10月号「観察日誌」(連作8首)


『観察日誌』

 あたらしい癖を見つける早朝の風にふくらむカーテンのなか

 丸い目をいっそう丸くする人よ 進化は愛をこいねがうこと

 ひざ六つ並べてつくる空間に風花の舞うような微笑み

 似てはならない似てはならないよ冬の日の塩基ならべる遊びの果てに

 大人には見えないものか天井のある一点を見つめるお前

 手の届くものから順に捕まえて捕まえたことを忘れて放す

 みなひとはやわらかな熱を持つのだと気付くお前を抱きあげるとき

 花ひらくひかりは遠くはじめてのお前の夏がもうすぐ終わる



(かばん2013年10月号掲載) 
posted by 田中ましろ at 23:23| Comment(0) | TrackBack(0) | かばん掲載歌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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