2013年07月16日

かばん7月号「わたしと、わたし以外のすべて」(連作8首)


『わたしと、わたし以外のすべて』

 いちまいの羽を落として(これは孤独)もう水鳥は行ってしまった

 待つ人のいる人の目のやわらかく そこに断層面を見つける

 八月の蛇口すべてが空をむき神様さえも撃ちぬくように

 みんなみんな案山子に見えて夏雲のむこうの青へ視線をおくる

 色のない他人の海がひろがってわたしとわたし以外だ 世界は

 まるくなる鉛筆の先 触れ合えば人もわずかに侵食しあう

 海だったころのわたしよ人波のなかで目覚めてしまってはだめ

 ひらく傘とじる傘あり地図上は平和に満ちているのにな 雨



(かばん2013年7月号掲載)

posted by 田中ましろ at 11:44| Comment(0) | TrackBack(0) | かばん掲載歌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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