2013年06月26日

かばん6月号「叙情のためのエチュードW」(連作8首)


『叙情のためのエチュードW』

 幸せの果ての惰性と知りながら手をとり春の回廊(コリドー)をゆく

 六月の現実として降る雨のしずけさ 決意するということ

 遠まわり 買ったばかりの画用紙に名前をつけるあなたとともに

 むくむくと笑いころがる花冷えの丘では雲を数えたりして

 光る海でしたあなたは両腕をひらいて雨をともだちと呼ぶ

 点線を破線と呼んだくるしさのひかりにきっと溺れてしまう

 銃弾をひとつ見つける週末に愛は死んだのか 答えを

 歩きだせ誰かと生きていくときの春には自動ドアが似合うね



(かばん2013年6月号掲載)

posted by 田中ましろ at 13:25| Comment(0) | TrackBack(0) | かばん掲載歌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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